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パパと遊ぶ
毎回1つのテーマにそって選りすぐりの児童書をご紹介 papa@図書コーナー 子どもといっしょに読んで、大人のためにもなる──。
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Vol.7 いわゆる哲学が学べる本

──昨今、大学で哲学を学ぶ学生が減っているそうです。哲学というと難解なようですが、広辞苑第六版には「俗に、経験などから築き上げた人生観・世界観。また、全体を貫く基本的な考え方・思想」と書かれています。やはり就職や実生活に必要なのは経済学や商学のような実学(じつがく)ということでしょうが、物事を多面的にとらえ、じっくりと考えていく力というものは、社会の中で生きていくうえでとても大切なものです。現代人には少し不足しているようでもあり、また、すぐに身につくというものでもないのです。
絵本の世界には、大人も思わず唸ってしまうような人生観や世界観を感じさせてくれる作品が数々あります。子どものころからこういう作品に触れることで、豊かな感受性や物の見方を学ぶことができるのです。もちろんパパもいっしょに、ですよ。

『フレデリック』

絵本『フレデリック』

作絵・レオ・レオニ 訳・谷川俊太郎 好学社 1969

あらすじ

ある牧場に沿った古い石垣のなかに、おしゃべり野ねずみの家がありました。野ねずみたちは冬に備えて、食料やわらなどを集めはじめました。でも、フレデリックという名のねずみは別でした。みながせっせと働いているときに、「光」や「色」や「言葉」を集めていると言って、じっとしています。
冬が来て、やがて食料が底をついたとき、野ねずみたちは元気をなくします。そのとき、みんなはフレデリックが言ったことを思い出しました。
「きみがあつめたものは、いったいどうなったんだい、フレデリック」
フレデリックは言いました。「目をつむってごらん」・・。

おすすめポイント

誰もが知っている『アリとキリギリス』は、冬の備えをせず好きなことをしていたキリギリスが死んでしまうというお話ですが、この『フレデリック』は状況こそ似ていますが、まったく違う展開をします。フレデリックはみなと違う行動をしますが、冬に食べ物がなくなり仲間たちが元気をなくしたとき、光や色や言葉を与えて、いわば「心」を満たすのです。
ほかの人と考え方が違うということは、ときに不安になってしまうものですが、この作品を読むと勇気が出ることでしょう。みなそれぞれに得意なことや個性というものがあって、それでみんなの役に立てる。互いの個性を認めていけるような、そんな世の中でありたいものです。ちなみに、作者のレオ・レオニは『スイミー』(1979)という作品で有名な人ですが、この『フレデリック』もとてもすぐれた作品です。

『おおきな木』

絵本『おおきな木』

作絵・シェル・シルヴァスタイン 訳・本田錦一郎 篠崎書林 1976

あらすじ

昔、りんごの木があって、かわいいちびっこととても仲良しでした。時が流れ、ちびっこだった坊やは成長して大人になり、木に会いに来なくなりました。
ある日大人になった坊やが木のところにひょっこりやってきました。木は昔のように遊んでいくように言いますが、坊やは「ぼくはもう大きいんだよ。かいものがしてみたいから、おかねがほしい」と言います。困った木は、りんごの実を売ればお金になると言って、すべて与えました。そして・・。

おすすめポイント

このりんごの木は、大好きな坊やのために実を、枝を、そして幹まですべてを与えます。お話の最後は「きは それで うれしかった」と結ばれていますが、本当にそうだったのでしょうか。木のしたことは坊やのためになったのでしょうか。愛とは与えること?与えるとは何か?・・読むたびに新鮮で、深く考えさせてくれる作品です。
シルヴァスタインには『ぼくを探しに』(1977)という作品もあります。こちらもおすすめです。

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